業界ニュース NEW 2018.04.25

【遠隔診療の実態】遠隔服薬指導の導入に壁?患者の負担とは?

2018年2月20日に、政府の規制改革推進会議である“医療・介護ワーキング・グループ”が、遠隔診療を実践している福島県南相馬市小高区の市立小高病院から、遠隔診療の実態についてヒアリングを行いました。
近い将来、日本でも遠隔診療などによる在宅診療が一般的になるだろうと期待されている中で、今回のヒアリングによって遠隔診療における課題が浮き彫りになったようです。
 
その内容は、遠隔での服薬指導に関することでした。では、いったい何が課題となっているのでしょうか。遠隔診療の課題点についてご紹介したいと思います。
 

小高病院の取り組み

離れた場所にいる患者に対して、タブレット端末などを用いて医師が診察することを【遠隔診療】と言います。小高病院は、2017年5月18日より、タブレット端末を用いた遠隔診療を開始しました。
遠隔診療は、離島やへき地など、全国の医療過疎地などで試行されていますが、東日本大震災後に医療人材の不足が深刻化する福島県内では初めての試みとして実施されました。
 
南相馬市小高区は、震災以降に急速に高齢化が進んでいます。通院が困難なため在宅医療を必要とする人が多くおり、そのような状況に対応するために小高病院は、「外来」・「訪問」・「遠隔」を組み合わせた診療を提供しています。
端末の扱いが苦手な人も多いため、小高病院のオンライン診療では、タブレット端末を持った看護師が患者宅を訪問し、医師がそのタブレット端末を通じて診療を行うのだそうです。これは、多忙な医師と外出が困難な患者の双方にメリットがある診療方法と言えます。
 

実は患者の負担が発生している

遠隔診療は日本でも広がりつつある医療行為ですが、服薬指導に関しては、薬剤師の場合は患者と対面で実施することが義務付けられています。
そのため、医療過疎地に住む人たちなどは、自宅で遠隔診療を受けられたとしても、薬を受け取りにわざわざ遠くの薬局まで行く必要があるのが現状です。
 
今回のヒアリングでは、遠隔で服薬指導が出来ないこと、そして都市部と比べてタブレット端末の扱いに不慣れな人が多いことなどが、遠隔診療の課題としてあがっています。また、遠隔診療が広がりを見せている中で、「服薬指導が常に対面を義務付けられるのはおかしい」という意見が出たようです。
そして、委員からも、遠隔服薬指導の導入を求める声が相次いだと言います。
 

規制緩和に期待

厚生労働省は、こうした意見に対して明確な回答を示さなかったようです。
おそらく「遠隔服薬指導を行っても問題がない」という事例がないと、動くのが難しいのでしょう。
現在は規制緩和によって、国家戦略特区として認定された地方自治体に限り、テレビ電話などを用いた遠隔での服薬指導が可能という方向へ進んでいますが、今後は特区以外の地域への適用が期待されています。
規制緩和が進み、もし全国のどの地域でも遠隔による服薬指導が可能になれば、在宅医療が必要な患者の負担が大幅に軽減され、医療の効率化が進むでしょう。