業界ニュース 2018.01.10

AIが服薬の内容指導してリスク管理!将来の薬剤師が担う役割とは?

近年、人工知能(AI)が目覚ましい発展を遂げています。囲碁・将棋、介護など、様々な業界でAIが取り入れられており、大きな注目を集めています。それは医療業界でも、診察・診断の補助や遠隔医療などにAIの活用が進んでいます。

先月、AIを使って薬剤師の服薬指導を支援するというシステムが開発されているというニュースがありました。世間ではAIが多くの既存の仕事を奪うと言われていますが、この最先端テクノロジーの導入によって、薬剤師にはどのような影響があるのでしょうか?
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AIは薬剤師業務の新たな支援ツール

研究グループは、AIに処方箋や薬歴等のデータを学習させることで、患者に伝えなければいけない服薬指導のポイントを示し、推奨される指導内容を提案するというシステムを開発しているとのことです。これにより、多忙な薬剤師のヒューマンエラーを防ぎ、安全性の向上を目指すという目的があります。過去の指導内容や患者のプロファイルを踏まえてポイントが示されるため、薬歴の記載漏れや、指導すべき注意点を伝え忘れるリスクもなくなり、患者ごとに継続的な指導を行うことが可能になります。

 薬剤師業界は「人材不足」という深刻な問題を抱えています。、多くの調剤薬局では人手不足が原因で薬剤師が忙しいという状況ですが、AIを活用したシステムがあれば、調剤業務の効率化も実現でき、薬剤師の労働環境の改善に繋がります。また、複数の薬剤師が勤務する薬局において、どの薬剤師が担当しても同レベルの服薬指導を受けられるという効果も期待されています。
 
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AIはあくまでも補助的な役割

AIの導入により、薬剤師とAIとの役割分担が進むことが考えられますが、近い将来、それによって薬剤師の業務がAIに置き換わってしまうか不安に思われる方もいらっしゃると思います。
ですがご安心ください。もし薬剤師の仕事が、薬を調剤して手渡すだけであれば、いつの日かAIに仕事を奪われてしまうでしょう。しかし、患者が薬剤師に求めているのは、薬を調剤してもらうことのみならず、「不安な気持ちを和らげてもらいたい」「話を聞いてほしい」といった、薬剤師と患者のコミュニケーションの部分です。患者と深い信頼関係を築き、患者が本当に必要としていることを一緒に探して解決に導く。これは、いまのところAIでは対応するのは難しいでしょう。少なくとも、今後さらに進化して、人間とほぼ同じ思考回路でコミュニケーションを図ることのできるAIが登場しない限りは、薬剤師とまったく同じように働けるということはないと思われます。

 近い将来、薬剤師業界で当たり前のようにAIが活用される時代が来るでしょう。また、AIの導入には様々な意見や考え方がありますが、人手不足という深刻な問題を抱える薬剤師業界にとっては、薬剤師と患者の両方に大きな恩恵をもたらすと考える人は多いと思われます。
 
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